ウェスター国戦師(いくさし)の書。2~優しい後悔~
夜、城にて
それからしばらくして、ようやっとこさ城に戻ったら。


皆が心配げに出迎えてくれた。


そして、ひしひしと感じる視線……心配とはなにかどこか違う、好奇心のような、そんな視線。


ケイゾウにノートのことを言われて、そこで初めて盗聴の事実を知る。


まあ、泣ききってすっきりした後だったし、隠す気もさらさらないから、皆に例の日記帳のノートを見せた。


皆、泣いてくれた。


素晴らしい仲間に囲まれて幸せだ、と思った(でも盗聴にはさすがに驚いたけど)。


……就寝前に、ウーさんに明日の仕事の段取り等々聞きに、彼の部屋に行った。


そしたら珍しいことに、そこにケイゾウがいた。


二人してパソコンとにらめっこ状態だった。


「何、してんすか?」


後ろから声をかけたら、ケイゾウがぱっと顔を輝かせて振り向いた。


そして、勢いよく両手でブンブンとシェイクハンドをかまされた。


「やっぱりだぜ、シンラ!

やっぱり思った通りだった!」


「え、な……何……が?」


事態を飲み込めずに戸惑っていると、ウーさんがずれてもいない眼鏡を直しながら答えた。


「……先程、いきなりに王がね。

調べて欲しい、と言いだされまして。

苦労しましたよ~何しろだいぶ前のことですし」


「はい……?」


「シンラの親父さんの一件だよ!」


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