離婚、しませんか?
「好きだと言ってキミに拒まれるのが怖かったんだ。だから……何度でもキミを抱いて、オレに夢中にさせて体から堕とそうかとも思ったよ。けどやっぱりオレは、キミの心ごと欲しかった。そのためには、時間が掛かっても待とうと決めてた。キミから離婚を言い出されるまではね」

そう言いながら、私の指を掴んでその口へと含んだ夫が、甘噛みしてはその赤い舌でぺろりと舐め上げて、次第にその唇が手のひらへ、腕の内側へと這い上がって来たから。

「んっ、やっ、光さ……、あっ」

触れられたところだけじゃなく、背筋までもがゾクゾクと痺れてしまって堪らず夫の胸へと倒れ込めば、抱き止めてくれた両腕にそのまま閉じ込められる。
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