離婚、しませんか？

「お見合いして流されるように結婚しちゃったけど、あなたとの毎日は全然嫌じゃなかったの。あなたは家事を手伝ってくれたり、私の服装や髪型や、色んなことをうんと褒めてくれたり、優しくて。話しているとすごく楽しくて、年の差なんて気にならないくらい話題も豊富で。でも、強引にキスされたり、あ、ああいうことを、求められちゃうのは……私を好きだからじゃなくて、その、お、男の人の生理的欲求のせいかなって思ってたの。だって、初めに『試しに結婚してみよう』って軽いノリみたいに言われたし、あなたからは一度も、好き、とか意思表示されたこともなかったか……んんっ！」

いきなり夫の唇を塞いでいた指先にビリッと痺れが走る。