離婚、しませんか?
「みちる、みちる」と貪られてる唇の隙間から流し込むように何度も熱を帯びたテノールに呼ばれても、返事をするどころか、か細く囀ることしかできなくて。

「ん、っあ、……んっ、んんんーーーっ、……は…ぁ、待って……っ、おねが……、んうっ」

重くて痛くて痺れて疼いておかしくなりそうな快感の渦に飲み込まれる寸前、夫が囁いた。

「もう……手加減しなくても、いいよね?」
「……はっ、ぁ、…………え?」

手加減……?

「みちるの全部を好きなだけ食べ尽くしても……構わないよね?」

例えば。一晩中でも、朝まででも、一日中でも。いっそ何日でも。
キミの髪の一筋だって余さずしゃぶり尽くしても。

いいよね……?
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