離婚、しませんか?
オレなら彼女を優しく抱き締めて眠らせることも、激しく抱いて蕩けさせてやがては彼女にオレ達の愛の結晶を宿すこともできる、そう、彼女が望むなら何人でも。
できれば娘がいい。彼女によく似た可愛い娘が。
息子は……。いや、彼女を独占する男はオレだけでいい。


とにかく。コイツは邪魔だ。


もはや視界の片隅に入れるのも鬱陶しいと抱き枕から目を逸らせば、その先にはスヤスヤと眠る彼女の後ろ姿。

その顔が見たい。
彼女に触れたい。

見つめているだけで愛おしさが膨れ上がる。

彼女の方へそろりと近付き、その体を覆うシングルの掛け布団を捲り、彼女の温もりに包まれたその場所へと滑り込む。

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