離婚、しませんか?
二ヶ月前のあの夜、オレ達は初めてあの場所で……。

そして一週間前にもあの上で、柔らかな彼女の肢体をさんざん抱き潰して。

「……っ」

一瞬で滾りそうになる衝動を押さえつけながら、鍵を開けて素早く中へと滑り込むと足元も見ずに靴を脱ぎ捨て、明かりの灯るリビングへと続く廊下をいそいそと進む。

部屋を見渡し、中央のソファにその姿を見つけると再び身の内から湧き上がるソレを無理矢理ねじ伏せ、口元を引き締める。

焦るな。サカるな。落ち着け。
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