離婚、しませんか?
「お帰りのちゅーは?」

額同士を合わせるようにして甘ったるく囁けば、それまでとろんとした瞳でオレを見つめていた彼女がなぜか急に逃げを打とうとするのを見て取り、すかさず両腕を伸ばして抱き込んで、有無を言わさず柔らかなその唇を今度こそ味わおうとすれば。


えーーーーーー。


なんて、言った……?


『だから。離婚、しましょうって言ったの』
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