離婚、しませんか?
潤んだ両目から次々に溢れては流れ落ちてゆく雫もそのままに、震える唇から答えを吐き出した。

「あなたには、今もずっと、心に想っている人がいるんでしょう?その人のことを、夢に見るくらいっ、今でも忘れられないんでしょう?」
「一体、なんの……」

まだ、しらばっくれるんだ。

「『みか』って、誰?」
「え…?」

ほら、やっぱり。
夫の顔に浮かんだ驚いたような表情で確信した。
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