離婚、しませんか?
夢に現れたその人は、夫の……**でした
暫し脳内がショートしていた間に、背後から抱きついていた夫によって私の身はヘッドボードから引き剥がされ、夫の長い両足の間にすっぽりと挟まれていた。

その上、「なあ答えろよ、みちる」と耳元でドエロボイスが矢の催促をしてくるのだ。
鼻血を出さなかった私を褒めてほしい。

でも、どんなに聞かれても、自分の本当の気持ちを曝け出すのはまだ、少し怖い。
夫からの『好き』が俄かには信じられなくて。
嬉しいって思うけれど、やっぱり実感がなくて。

だから、つい。

「あの……。光さん?」
「なに?」
「その前に、あのぅ……、後ろ……なんか当たって、るんですけど」

なんて、誤魔化してしまったけど。嘘じゃないから。
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