始まらなかった恋

山岡&中谷

「あのね。来年は桜を一緒に見たいな」
「校庭の?」
「うん。 中谷と別れたときね、桜が散り始めてて…桜って散ってもちゃんと次も綺麗に咲くんだから、だから私も頑張ろうって思えたんだ」
「次って…山岡はきっと次の恋は俺ではない誰かとって思ってたんだろうな…」
「え…うん、まぁ、そうだね。中谷とは恋さえ始められなかったって思ったし…」
「俺は、次は自分を好きになってもらえるようにしたいって思った。 けど、やっぱりその相手は山岡がいいって思ってた」
「そうなの!? なんか、ごめんね」
「席替えで前後になってラッキーって思った。 山岡のこと見放題だ~!!!って」
「私は!!! 席が近くて嬉しいって気持ちはもちろんあったけど、私の方が後ろなら中谷のこと見放題なのにって思ってた…」
「…なんか恥ずかしいな」
「う、うん」
「これからは正面から見放題だな」
「恥ずかしいからあまり見れないかも…」
「あ~…山岡の今の顔見たい。きっと可愛いんだろうな~」
「可愛くなんてないよっ 真っ赤で変な顔してる」
「見たいな…明日まで待てない。 もう会いたい」
「私も会いたい。 早く明日になればいいな…」
「うん。 寝て起きれば明日だな」
「うん」
「あっ山岡!」
「ん?」
「唇。すごく柔らかかった。 おやすみ」
「っ!? 恥ずかしい!ってもう切れてる……おやすみなさい。良い夢を」
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