*Only Princess*




「うっ……うぅ……っ」



泣きじゃくるあたしの傍で、てったはずっとあたしの頭を撫でてくれた。


その手つきも表情も優しくて、余計に涙腺がやられる。



「本当はね、すごく辛かったし、ショックだったの……っ」


「ああ……」


「何度も夢であったらって願った。だけど現実で……胸が痛くて苦しいの……。こんなことになるなんて、想像してなかった……っ」



昨日から言えなかった思い。

それは涙と共に一気に溢れてきた。


てった……
きっとあたしが素直になれると思って、ここに連れてきてくれたんだよね。

ありがとう。



────ねえ、美紗はあたしの敵なの?


あたしを裏切った? どんな思いだった?


美紗に対して、疑問がたくさん。


それにショックだって計り知れないくらい大きい。


だってあたし、今まで平凡な生活を送ってきたんだもん。


こんなこと経験したことない。


でもね、あたしは美紗のこと信じたいよ。


あたしと美紗は、親友だって信じたい。


白鷹と蛇王が戦って、その決着がついたあと。


あたしたちはどうなっているのだろう?



美紗。美紗の本心が知りたいよ────。






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