*Only Princess*
「俺は白鷹のメンバーなんだ」
目と耳でその衝撃の事実を知らされる。
しばらく流れる沈黙。
それは理解するのに時間がかかった。
てったが白鷹……てったが白鷹……てったが白鷹のメンバー!?
やっと脳で理解できた。
いやいや、できてないよ! できないよ!
だっててったが白鷹のメンバーだなんて……
あたしの大ッ嫌いな暴走族に入ってるなんて。
「そんなの、ウソだー!!」
気づけばそう叫んでいて、クルッと身を翻して走っていた。
「え、なにあの子。おもしろ」
後ろからそんな声が聞こえたけど、そんなの相手にしてる場合じゃなかった。
とりあえず走る。走る。走る。
まるで現実逃避するみたいに。
気づいたら自分の教室にたどり着いていた。
「ハァ……ハァ……」
自分の机に手をつき、息と頭の中を整える。