*Only Princess*
「教えられる範囲なら俺が答えるよ。それに俺も話したいことがあるし。でもここじゃ落ち着いて話せないから……屋上に行かない?」
ひぇぇ! これはなに? リンチ?
優しーく言ってるけど、ボコボコにされたらどーする?
でもでも、てったが行くなら大丈夫だよね?
それに……知りたいし、てったのこと。
「……行きます」
クラスメイトどころか他クラスの人まで注目する中、あたしは白鷹の4人、そしててったと屋上へ向かった。
屋上の扉を開けると、眩しすぎるほどの晴天だった。
雲一つない青空の中で、太陽がギラギラと輝いている。
夏休みが終わったとはいえ、まだ9月。
夏の暑さは健在だ。
屋上の扉をバタン、と閉めるとちょっぴり緊張感が解けた。
みんなが日影に行き、柵に寄りかかったり座ったりする中、あたしは動けずいた。
「おい、菜生。こっち来い」
でもてったに呼ばれたら行かざるを得ない。
しょうがないから……
てったの隣に座ろ。
「……くっつきすぎだ」
「……いいじゃん」
ちょっと怒られたけど、他の人の近くにいるより断然マシだ。