*Only Princess*




「教えられる範囲なら俺が答えるよ。それに俺も話したいことがあるし。でもここじゃ落ち着いて話せないから……屋上に行かない?」



ひぇぇ! これはなに? リンチ?


優しーく言ってるけど、ボコボコにされたらどーする?


でもでも、てったが行くなら大丈夫だよね?


それに……知りたいし、てったのこと。



「……行きます」




クラスメイトどころか他クラスの人まで注目する中、あたしは白鷹の4人、そしててったと屋上へ向かった。


屋上の扉を開けると、眩しすぎるほどの晴天だった。




雲一つない青空の中で、太陽がギラギラと輝いている。


夏休みが終わったとはいえ、まだ9月。


夏の暑さは健在だ。


屋上の扉をバタン、と閉めるとちょっぴり緊張感が解けた。


みんなが日影に行き、柵に寄りかかったり座ったりする中、あたしは動けずいた。




「おい、菜生。こっち来い」



でもてったに呼ばれたら行かざるを得ない。


しょうがないから……
てったの隣に座ろ。



「……くっつきすぎだ」


「……いいじゃん」



ちょっと怒られたけど、他の人の近くにいるより断然マシだ。



< 20 / 422 >

この作品をシェア

pagetop