*Only Princess*
「……ま、そーゆーと思ってたけどな。わかった。ここは男らしく引いておくぜ。俺様は心が広いからな」
「よ、よかったぁ……」
あっさり気持ちが伝わったみたいで、よかった。
あたしは白鷹のみんなと一緒にいたいから。
それはこの先、絶対に変わらない。
ただの仲間じゃない。
家族に近いけど、そうでもない。
また新しいジャンルの存在。
"白鷹"っていう特別な枠。
やっぱり、それは失いたくない。
「ありがと! じゃあ、あたしたちはもう行くから。また会えるといいね」
「ああ」
にこっと笑えば、同じようににこっと笑い返してくれる。
手を振れば、同じように手を振り返してくれる。
そのことに安心しながら、再びバイクに乗った。
今度こそ走り出す。
いつも通りしっかりと、てったの腰に手を回した。
……うん、やっぱり落ち着く。