*Only Princess*




「この子が仲間になってくれたら、きっともっと楽しくて、強くなれるんだろうなって思った。実際そうなった。
でも……こっち側の世界に巻き込んで、すごく申し訳ないとも思った。一瞬でも、菜生に関わったことを後悔したよ。……ごめんね?」


「そんなことっ……!」



思わず出てしまった声は、きっとみんなにも聞こえたことだろう。


しまった、と思ったけど言わずにはいられなかった。




確かに、今まで経験したことのないことが起こったり、複雑な気持ちになったり。


大変なこと、辛いこと。

それがなかったと言ったらウソになる。


でもそれ以上に楽しくて温かくて、幸せな気持ちになった。


家族同然に大切な存在ができたこと、心から嬉しかったんだ。


だから”関わったことを後悔した”って言葉……

すごく胸に突き刺さる。


みんなを避けてるあたしが言うのもどうかと思うけど……

そんなこと、言わないでほしい。



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