*Only Princess*




「ごめんね。菜生1人に辛い思いをさせてしまったんだね。頑張ってくれて、ありがとう」



琉依の声が聞こえて、見えるわけもないのに首を横に振った。


そして不覚にも涙が溢れてきてしまった。




「でも、俺たちは大丈夫だよ。過去をバラされたところで、弱る俺たちじゃないから」


再び琉依の声。




「そうですよ。菜生が思ってるより強いですよ?僕たち」


航平の声。




「どんな族が襲ってきても、上等だぜっ! 菜生は俺らを信じろよ」


真幸の声。




「だからさ、白鷹に戻ってきなよ。菜生がいないと、調子出ないみたいだし、みんな」


司の声。




「迷惑なんてかけて当たり前だろ、仲間なんだから。
……もう待たねーよ。奪いに行くから、全力で、菜生のこと」


てったの声。




みんな……

どんなに突き放そうとしても無理だね。


こんなにも真っ直ぐにぶつかってきてくれる。


そしてあたし、みんなのことが大好きなんだもん。



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