シグナル
「ちょっと待ってくれ!
争うってどう言う事だ?
俺は争おうなんて思ってないぞ!
悪いのは全面的にこっちなんだ、
賠償金を請求されても文句は言えないだろ!
被害者や遺族の方々には、
出来る限りの努力をするつもりだ!」
「そうは言っても限界があるだろ!
彼らがとてつもない額を請求してきたらどうするつもりだ?
被害者は一人や二人じゃないんだぞ!
そんな彼ら一人一人が、
それぞれ高額な請求をしてきたらどうするつもりだ?
分割にはなるだろうが、
額が大きくなれば、
それだけ一回の支払額は大きくなる!
それを下げるには、
支払い期間を長くしなければいけない…
おそらくお前のキャパシティーを超えるだろう…
それにこの家のローンだって、
まだ残ってるんじゃないか?
払いきれなくなるぞ!」
その言葉を聞き、
大きくうな垂れる武雄。
「とにかく今日のところは帰るよ、
明日武彦君に会ったら、
どんな様子だったか報告に来る!」
その言葉を残し、
坂田家を後にする井上、
その晩両親は眠れぬ夜を過ごし、
やがて朝を迎えた。