シグナル

テリーはリックをそっと寝かせ、

溢れる涙を堪えながら、

もう一度外に出ると、

ラルフと共に援護をしながら、

再び仲間達を中に送り込む。


まずライエルとケイが、

奥の通路へと入って行き、

ケビンがその後につづく。


だがニックだけは、

依然リックの傍らで座りこみ、

その場を離れる事が出来ずにいた。


それに気付いたライエルが、

早く来る様促す。


「なにしてるニック、

早く来い!

お前まで死にたくないだろ!」

「いやだ!

僕はリックと一緒にいる、

リックと一緒なら死んだって良いんだ!」

この言葉に真っ先に怒ったのは、

普段はとても温厚なケビンであった。


「バカな事言うな!

リックがそんな事望んでると思ってんのか!

いいから早く来い」

「いやだ!

僕はここにいるんだ!」

「まだそんな事言ってるのか!」

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