すれ違う未来
アイツの勤める会社の最寄駅で降りて、ウロウロとした。
デパートのテナントかもしれないな~と思っていると、見覚えのある店名を見つけた。
店の入り口ですでに、懐かしさが込み上げる。
アイツの好きそうな雑貨が綺麗にディスプレイされていた。

俺はその店に足を踏み入れた。
・・・やっぱりこの店で間違いない。と思った。
ベッドカバーを探そうと店の奥の寝具コーナーへ向かう前に、目に飛び込んできたのは、食器類。
そして俺は、茶碗へと手を伸ばす。
アイツが持ち帰ってしまった俺の物と揃いの女性用の茶碗だ。
でも、よく見ると、俺の部屋にあった物とは微妙に違うような・・・?
その茶碗をまじまじと見ていると、
「あっ」
と聞き覚えのある声。
アイツだ!
俺はすぐに振り返り、少し話しをする。
コイツは俺がこの店の物を買うことを嫌がっているようだ。
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