すれ違う未来
●彼氏視点：5話


何度も何度もアイツに電話をかけようとした。
だけど、電話で話しをするだけじゃなくて、顔を見て話がしたいと日に日に思うようになった。

俺は、会社帰り、アイツの部屋へ向かうため、いつもより早めに会社を出る。
できればアイツが帰宅する前に部屋の前で待っていたかった。
・・・アイツがすでに帰宅していたら、俺はチャイムを鳴らす勇気が持てない様な気がしたから。
先に待っていて、アイツから「何してるの？」と声をかけてもらえたら・・・なんて事を思っている。
その時の表情で迷惑がられているのか判断しよう。
今更だけど、俺と話をしてくれる気持ちがあるのかどうか・・・。

アイツのアパートの前まで来て、アイツの部屋に明かりが灯っていないことにホッとした。

少し待つと、アイツが帰ってきた。
驚いている表情だ。
迷惑がっているのかどうかは分からなかった。
俺はただ、必死にコイツに「話しがしたい」と伝えた。

コイツは俯いて返事をくれない・・・。
迷惑なんだな。
そうだよな・・・。
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