すれ違う未来
●彼氏視点:6話(R15)
コイツがもし俺の浮気を疑った事が理由で別れを切り出したのなら、きちんと話しをすればもう一度付き合えるのではないかと期待はしていた。
でも、まさかコイツの方からやり直すと言ってもらえるとは思っていなかった。
俺はビジネスバックの中から、小さな箱を取り出す。
「もしも もう一度付き合えることになったら、コレを渡そうって決めて来たんだ」
そのくらい、強い気持ちを持ってコイツに会いに来た。
「俺と結婚前提のお付き合いをしてください」
箱を開けて、コイツに差し出した。
「・・・結婚前提のお付き合い?」
「あ!? いや、できれば、結婚して欲しい!」
「・・・っ・・・私、貴方を信じられなかったんだよ?」
「これからは、なんでも話していこう?」
「私、貴方の部屋でコレが入った紙袋を見つけたの」
コイツの視線は箱の中の指輪へと一直線に向けられていた。
「え?」
見つかっていたのか?
「・・・私へでは無いと思った。 だから別れを決意したの」
信じられない。 コイツ以外に誰に渡すというんだ。
「俺に他の女の影なんか全然無いだろ・・・」
「貴方を信じたかったけど・・・私、弱かったの。
貴方を信じていくことができなくて・・・ごめんなさい」
コイツは指輪に手を伸ばす事無く、項垂れている。
俺は箱から指輪を取り出して、コイツの指へと嵌めた。
「お前が好きなんだ・・・結婚して欲しい。
仕事だって、続けたいなら続けてくれていいから」
「え?・・・憧れは?」
いつも家で待ってくれている嫁に憧れていたが、コイツと結婚できるなら、子供の頃からの憧れさえ叶わなくてもいいと思えた。
「お前と結婚できるなら、そんな憧れは諦めるよ」
俺が言うと、コイツは柔らかく笑い、
「・・・諦めなくていい」
と言った。
「え?」
「私、貴方の帰りを待ってる」
「それって・・・」
「結婚したら仕事は辞める」
「・・・いいのか?」
「急に辞めるのは迷惑かけてしまうから、年度末までは働かせて欲しいけど・・・私、貴方の帰りを待つ生活がしたい」
「三都・・・」
久しぶりに名前を呼んだ。
コイツがもし俺の浮気を疑った事が理由で別れを切り出したのなら、きちんと話しをすればもう一度付き合えるのではないかと期待はしていた。
でも、まさかコイツの方からやり直すと言ってもらえるとは思っていなかった。
俺はビジネスバックの中から、小さな箱を取り出す。
「もしも もう一度付き合えることになったら、コレを渡そうって決めて来たんだ」
そのくらい、強い気持ちを持ってコイツに会いに来た。
「俺と結婚前提のお付き合いをしてください」
箱を開けて、コイツに差し出した。
「・・・結婚前提のお付き合い?」
「あ!? いや、できれば、結婚して欲しい!」
「・・・っ・・・私、貴方を信じられなかったんだよ?」
「これからは、なんでも話していこう?」
「私、貴方の部屋でコレが入った紙袋を見つけたの」
コイツの視線は箱の中の指輪へと一直線に向けられていた。
「え?」
見つかっていたのか?
「・・・私へでは無いと思った。 だから別れを決意したの」
信じられない。 コイツ以外に誰に渡すというんだ。
「俺に他の女の影なんか全然無いだろ・・・」
「貴方を信じたかったけど・・・私、弱かったの。
貴方を信じていくことができなくて・・・ごめんなさい」
コイツは指輪に手を伸ばす事無く、項垂れている。
俺は箱から指輪を取り出して、コイツの指へと嵌めた。
「お前が好きなんだ・・・結婚して欲しい。
仕事だって、続けたいなら続けてくれていいから」
「え?・・・憧れは?」
いつも家で待ってくれている嫁に憧れていたが、コイツと結婚できるなら、子供の頃からの憧れさえ叶わなくてもいいと思えた。
「お前と結婚できるなら、そんな憧れは諦めるよ」
俺が言うと、コイツは柔らかく笑い、
「・・・諦めなくていい」
と言った。
「え?」
「私、貴方の帰りを待ってる」
「それって・・・」
「結婚したら仕事は辞める」
「・・・いいのか?」
「急に辞めるのは迷惑かけてしまうから、年度末までは働かせて欲しいけど・・・私、貴方の帰りを待つ生活がしたい」
「三都・・・」
久しぶりに名前を呼んだ。