すれ違う未来
明るくて、優しくて、いつも笑っている様な彼が好きだった。
初めて会った時から、素敵な人だと思った。
渚が彼の事を褒めるたびに、もしかして渚は彼を好きなのかな?と勘ぐって落ち込んだ。
けれど、渚は彼に興味は無いと言った。
そして、彼の親友と楽しそうに話していた。
私は出会ったその日に彼と連絡先を交換した。
こんな事は初めてだった。
その位、彼は私にとって理想的で特別な男性だった。

その彼が、私が彼の浮気を疑ったから別れを告げたのだと知って、それは違うんだと私に証拠を見せてくれた。
それは・・・真実を私に伝えて、「もう一度付き合おう」と思ってくれたからではないの?

「・・・私とやり直したいって思ってくれたんじゃないの?」
私は小さな声で彼に訊く。
・・・違っていたら恥ずかしい。 どんな自信過剰女なのって感じ。
もしかして、彼はただ自分が浮気していたなんて思われていた事に腹が立っただけで、浮気相手に家事をさせていた訳では無いという証明をしただけなのかもしれない。
そんな風に考えいると、
「え!? うん! やり直したい!!!」
私の不安なんて関係ないといった様に、彼は満面の笑みを見せてくれた。
その笑顔を見て私は笑いながら泣いた。
私は、やはり彼が好きなのだ。
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