すれ違う未来
仕事が終わって、岩崎と一緒に会社を出ようとすると。
「渚さん、岩崎さんと仲イイですね?」
と後輩から棘のある表情で声をかけられた。
岩崎と私が付き合っているという噂は何度も流れたことがある。
その度に否定しているというのに・・・。
「俺と、俺の彼女の親友が仲イイのは悪い事じゃないよね?」
岩崎は『俺の彼女の親友』のところで私の顔を指差しながら答えた。
「・・・そうなんですか・・・お疲れ様です」
かなり落ち込んだ様子で後輩は背を向けた。
「・・・今までそういうこと言わなかったのに、急にどうしたの?」
私は驚いていた。
本当に私の親友の三都と付き合っている時は、そんな事を言わなかったのに、別れてしまってから言うなんて。
岩崎は、三都とやり直したいと 気持ちが固まったのかな?
三都と話しをして と言ったけど、それから三都と話しをしたと言う事は聞いていない。

今日が絶好のチャンスだよ、岩崎!
本心を三都に伝えて、玉砕覚悟で頑張れ!!!
・・・玉砕したら、私は責任を取れないけど。
いやいや玉砕なんて無いと思う! 三都は岩崎に未練があるんだから。
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