すれ違う未来
約束の店に着くと、三都はすでに来ていた。
男性二人に声をかけられている。
ああ、またか。
と思っていると、私の隣に立っていた岩崎がツカツカと三都の隣に座り、
「ごめん。 待たせたね」
と笑顔を向けた。
今まで、無表情だった三都が岩崎を見た瞬間ぱぁっと明るい笑顔を向けて、
「ううん。 私もさっき来たところだから」
と言った。
ナンパ男達から三都を守ろうとした演技なんだろうけど、
・・・どう見ても恋人同士にしか見えない。 本当に二人はお似合いなのに。と思った。
三都に話しかけていた男性二人はそそくさと違う席へと座った。

私も席に着いて、
「三都、ごめんね。 一人で待たせちゃって」
と謝って、岩崎を勝手に連れてきたことに対しても謝ろうとすると・・・。
「ううん。 渚と歩いて来るって連絡貰ってたから、この位の時間に着くだろうって分かってたの」
と笑った。
・・・私と歩いて来る? 連絡?
え!? それは、岩崎から三都に連絡があったってこと?
私は疑問だらけ。
「あ~・・・えっと、今日は始めから俺も一緒にって事だったんだけど」
と岩崎は苦笑。
「はぁ!?」
私が驚くと、
「渚には、迷惑掛けたから二人でお礼を言いたいねって、ね?」
三都は岩崎を見つけて首を傾げる。
「そう」
岩崎は頷いた。
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