【完】Angel Heart


だって、可愛いワンピースも、流行のとろみ感ある服も、持ってないし似合わない。



自分のセンスのなさに泣きそうになりながらも、すっぴんに近いくらいの薄いメイクを施して。



「あ。やば。遅刻する!ひなのちゃんに怒られるー」



と、家の外に出た。



ガチャリと、門を閉じると背後から声を掛けられる。

 

「おはよう。実楽」



「はい、おはよう…って湊!?」



「うん。そうだよ?」



「てか、なんでいんの?ここあたしの家だよ?!」



「なんでって…お迎えに来たんだよ。目的地まで一緒に行こうと思って」



「……湊の家、こっから遠いのに、わざわざ来たの?」



「うん。実楽と一緒に行きたくて」



突然現れた(…というか、待ち伏せされた?)湊は、黒のスキニーパンツにグレーのパーカー。


中に、ちょっとだけ光沢の入った白いシャツを着ている所が凄くお洒落で格好良かった。



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