一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
床は大理石で光り輝いていて、エントランスなのにまるで高級ホテルかのように、座り心地良さそうなソファとテーブルが並べられている。


そして正装したコンシェルジュが二名、カウンター越しから丁寧に頭を下げてきた。


うっ……! 初めて見た。マンションにいるコンシェルジュなんて。

たぶん勝手に家に上がり込んだらいけないパターンだよね、これ。


慣れないことに挙動不審になりながらも、コンシェルジュがいるカウンターの方へと向かっていく。

「あの、すみません……」

「はい」

尋ねるとすぐにコンシェルジュは笑顔で対応してくれた。

「えっと……3010号室の南さんを訪ねてきたんですけど……」


南さんの名前を出すと、すぐにコンシェルジュは「南様より承っております」と言うと、丁寧に頭を下げた。

頭を下げられてしまうと、恐縮してしまう。

すかさずコンシェルジュはカウンターから出て、私を案内してくれた。

導かれるがままやってきたのは、ガラス張りのドアの前。どうやらこの先が居住区となっているようだ。
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