一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
「私は颯馬の秘書を務めておりますが、私と彼は俗にいう幼なじみの関係なんです」
幼なじみ――。だから南さんのことを呼びすてで呼んでいるんだ。
納得している間も、彼女は話を続ける。
「颯馬のこと、ずっと昔から一番近くで見てきました。母親の寂しさに飢えている彼も、人より少し感覚がズレているところも、そのせいで周囲とうまく人間関係が築けずにいたところも。嬉しいこと、楽しい時間を共有してきましたし、悩みがあったらいつも相談に乗ってきました。きっと会長である父親より私と一緒に過ごした時間の方が多いはずです」
彼女の話に胸がズキンと痛んでしまった。
幼なじみなら、昔から南さんのそばにいたのは当たり前なこと。私と海斗だってそうだ。
生まれた時からずっと一緒で、今だって悩みがあったら相談してしまっている。
きっと南さんと笹本さんの関係は、私と海斗の関係と同じようなものなんだと思う。
頭ではそうわかっているのにな、どうして私の知らない南さんを彼女が知っていることに対して、こんなにも胸が痛んで仕方ないんだろう。
幼なじみなら知っていて、当たり前なことなのに。
幼なじみ――。だから南さんのことを呼びすてで呼んでいるんだ。
納得している間も、彼女は話を続ける。
「颯馬のこと、ずっと昔から一番近くで見てきました。母親の寂しさに飢えている彼も、人より少し感覚がズレているところも、そのせいで周囲とうまく人間関係が築けずにいたところも。嬉しいこと、楽しい時間を共有してきましたし、悩みがあったらいつも相談に乗ってきました。きっと会長である父親より私と一緒に過ごした時間の方が多いはずです」
彼女の話に胸がズキンと痛んでしまった。
幼なじみなら、昔から南さんのそばにいたのは当たり前なこと。私と海斗だってそうだ。
生まれた時からずっと一緒で、今だって悩みがあったら相談してしまっている。
きっと南さんと笹本さんの関係は、私と海斗の関係と同じようなものなんだと思う。
頭ではそうわかっているのにな、どうして私の知らない南さんを彼女が知っていることに対して、こんなにも胸が痛んで仕方ないんだろう。
幼なじみなら知っていて、当たり前なことなのに。