一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
南さんはちゃんと全部話してくれた。なのに私は……? 聞くだけ聞いておいて、肝心な自分の気持ちを伝えていないよね?


嬉しかった、南さんが私のことをどう想っているのか聞かせてくれて。

私も伝えたい、南さんに今の自分の気持ちを――。


先ほど同様、キッチンからは珈琲の芳しい香りが漂ってくる。

立ち上がり、キッチンへ向かうと彼は背を向けて珈琲をカップに注いでいた。


「南さん……」

「ん? どうしたのミャー」

背を向けたまま優しい声色で答えてくれた彼の背中に、堪らず抱き着いてしまった。

「え、ミャー?」

途端に南さんは驚き、手にしていた珈琲メーカーを置いた。

「どうしたの?」

腹部に回した自分の手に、彼の手が触れた瞬間、気持ちが溢れてしまった。


「好きです」

「――……え」

「南さんが大好きです」


初めて口にした彼への気持ち。

言葉にして改めて思い知らされる。私……南さんのことが好きなんだって。
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