一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
「ん？　どうしたの？」

再び腰を下ろし聞く体勢に入ると、お父さんは私の様子を窺いながら話し出した。

「実はだな、今日の昼間……颯馬さんが来てくれたんだ」

「……え、南さんが？」

ドキッとしてしまい、動揺してしまった。

「あぁ。……聞いたよ、颯馬さんから全部」

「全部って……それじゃもしかして鈴木さんたちのことも？」

恐る恐る聞くと、お父さんは深く頷いた。


「最初から最後まで全部聞いた。颯馬さん、ずっと頭を下げたままで謝ってばかりだった。父さんたちに対しても、美弥に対しても」

一呼吸置くとお父さんは真剣な面持ちを見せた。


「美弥、父さんが退院したら今回のことをみんなにも話すつもりだ。そして鈴木くんたちが戻ってきたいと思ってくれているのなら、喜んで受け入れるつもりだ」

「……うん。私もそうしてほしい」


鈴木さんたちがまたうちで働きたいって思ってくれているのなら、是非戻ってきてほしい。また一緒に働いて欲しいよ。

賛成するとお父さんは安堵した様子。
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