一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
まじまじと視線を送ってしまっていると、気づいた南さんは私を見ると、微笑んだ。

そしてとんでもないことを言い出したのだ。


「そんなわけだからミャー、これから覚悟していてね」

笑顔で宣戦布告された途端、カッと身体中が熱くなってしまった。


いやいや、覚悟もなにも私は南さんと結婚するつもりも、付き合うつもりも、好きになる予定もございませんから!


なんてことはもちろん、「失礼なことを言うんじゃないぞ」と言うように、目で訴えかけてくるお父さんを前にして、口に出して言えるはずもなく……。

ただひたすら笑顔を引きつらせるばかりだった。
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