理想の人は明日から……
 私は、白いウエディングドレスに身を包み、チャペルの大きな扉の前に居る。


 私が、腕を組んでいるのは、篠田さんだ……


「楓さん、本当に私で良かったのですか? 立場が違い過ぎると思いますが……」


「他の人ではダメです…… 篠田さんがいいんです」

 私は篠田さんへ目を向けた。


「そう言っていただけて嬉しいです。本当に副社長には苦労しましたから……」


「まあ……」


「女性の事では悩まないと思っていたのに、楓さんに出会ってからの副社長には参りました。企画部から営業部に移ると言い出すし…… 小学生並みの行動しか出来ないし…… 楓さんの事になると、冷静でいられなくなって取り乱すし……」


 篠田さんは、ため息を着いた……


「ええ! そうだったんですか?」


「はい! ですから、どんな事があっても、副社長は楓さんを絶対に守ります。だから、信じてついかれて大丈夫ですよ」


 篠田さんの、優しい笑顔に涙が滲んでいる。


 篠田さんの言葉に、私は大きな安らぎと幸せを感じる……

 きっと、これからも大変な事が沢山あるのだろう……

 

「はい。ありがとうございます……  私、本当に幸せです」


「これからは、私がお二人にお仕えしますので……」



 チャペルの扉が開いた。



 ゆっくりと、篠田さんと歩く私の先には……


 白いタキシードを着た彼が立っている……



 理想の人では無く、私の愛する人だ……


      「完」
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