俺様社長に飼われてます。


「……あー、まあ。俺に聞かれても本当のことはわかんないですよ」

「そう、ですよね……」


赤羽さんは当たり障りない返答をして、おにぎりを取り出してかじりついた。

のりとツナマヨの匂いが鼻を突く。


撮影がある日はスタイルが変わってしまうためにいつも5時間くらい前からご飯を食べられない。

香ばしい食べ物の匂いにお腹が鳴りそうになるのを抑えて、誤魔化すようにお茶の入ったペットボトルに口を付けた。


「あ!未央ちゃん!」


突然大きな声で名前を呼ばれてお茶を吹き出しそうになって、慌てて飲み込んだことで液体が気管に侵入する。

振り向いて私を呼んだ人物を確認すれば、眩しい金髪が真っ先に目に入った。


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