叫べ、叫べ、大きく叫べ!
リビングに顔を出すと、母がダイニングにいて、私を見るなりいきなり責めてきた。
テーブルにはビリビリに破られていた離婚届があった。
母が言っていた『アレ』とはこの事かと空っぽにした心で頭に思う。
目の前では離婚届を指しながら、私を責め立てる母の顔。
近くにいるのに声は遠くに感じて、ズームインされているけれど口パクしているような映像が目の前で繰り広げられているみたい。
これはいつの間にか私が習得していた現象。
話の内容は聞いているけれど、この現象が必ず現れるのは私には一切関係のない話題だけ。
今回はまさにそうで。
破られた離婚届を勝手に私のせいだと決めつけないで欲しい。
そんなのどこに置いてあったかも知らないのに。
言い返す力があったらとっくに言っているけれど、そんなものは無意味だと知っているから、私はサンドバッグのように痛めつけられるだけなんだ。
痛い。痛いよ、本当は。
散々な罵声を浴びて、頑張って耐えてるんだよ。苦しいよ。うるさいよ。
ああ嫌だ。こんな自分が嫌だ。嫌い、大嫌い。
なんで私だけこんな目に遭わなきゃいけないの?
家にいるのにひとりぼっちなんて寂しいよ。
平気な顔してるけど、本当は寂しいよ。
……今すぐ消えてなくなりたい。
横向きに寝転んだ身体を縮こませて、自分で自分を抱きしめた。