あの日を
あの日を






「……んんっ……。」







カーテンの隙間から入ってくる日差しと、小鳥のさえずり。


眠い目を擦りながら、枕の上の方に手を伸ばし手探りでスマホを探す。





「……9時……かぁ……。」





スマホを手に持ったまま、うーんと伸びをすると隣に目を移す。



彼の姿はない。




「……そういえば今日は早番だった……。」




明け方、私の頭を撫でて、何かを呟いてから出て行ったんだった。

寝ぼけててよく分からなかったけど。




重たい体を起こし、カーテンを開けて部屋の中に日差しを入れる。

あまりの眩しさに思わず目を細める。








「……良い天気だなぁ。」








せっかくの良い天気なので、どこかに出掛けようかとも考えたが、彼が早番で頑張っている訳だし、何か美味しいものでも作ろう。





そうだなぁ……好物のハンバーグとかどうかな?

うん。きっと喜ぶはず。




そうと決まれば行動が早いのが私だ。



薄く化粧をし、髪の毛を整えると、すぐに家を出る。



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