time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
勝手にソファーに腰掛けている豊に笑みをこぼしそうになりながら、あたしは冷蔵庫からビールを取り出した。



「おう。」と言いながらビールを受け取る豊の手に、指先が触れてしまう。


それだけで熱を感じる指先。


あたしの体が豊に会いたかったと反応してる。



「男と住んでるのか?」


そんな気持ちを一瞬にしてかき消してしまう豊の一言。


浅葱に金で囲われているという現実を再確認してしまう。


豊といるときはそうじゃないあたしに戻れるかな…――なんて思っていたけど、あたしの現実は変わらない。


「一緒に住んでるわけではない。」


そう答えたけど、この部屋には男物の洋服や靴が置かれている。


こんな言葉だけでは納得できないよな。
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