【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「もしよろしかったから、利用するかどうか考えてみてください。

あなたのような学生さんでも安くお友達をレンタルすることができるプランをご紹介します」

そう言った由紀恵に、綾美は手元の名刺を見つめた。

友達をレンタルできるーーその言葉は、とても魅力的に聞こえた。

しかも、安く利用できると言っている。

「…わたしでも大丈夫ですか?」

呟くように聞いた綾美に、
「もちろんです」

由紀恵は首を縦に振ってうなずいた。

「でも、少しだけ考える時間をいただいてもいいですか?」

「構いません、それでよく考えてから結論を出してください。

こう言うのは個人の自由だと、私は思っています。

でも…」

由紀恵はそこで言葉を区切ると、
「お友達と言うものは、作るものではありません。

自由に選ぶものです」
と、言った。
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