偽りの副会長に恋をした

入学式の前

『桜が舞い、暖かい春の風が吹いている。新しい制服に身を包み、一歩ずつ前に進む。門の前には「入学式」と達筆に書かれていた。…ここまで言えば分かるかな？そう！！私「尾方梓」は、今日からこの大嶺高校生の一年生になりま〜す♪』

「…って、ちょっと美沙！？変な喋り方で話さないでよ！！私は、そんな変な話し方なんてしてないでしょ！！！」

えー…先程は失礼しました。読者の皆様にご迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした。

私がツッコむまでの、ほんの数行間は全て！！

私の友達、【結季美沙（ゆうき みさ）】が話していました。

「梓ごめんって！」

「ほんっと！次やったら怒るからね！？」

「いや、もう怒ってるじゃん！？大丈夫だよ梓！もうしないって！！……多分」

多分！！？多分って言ったよね！！？美沙が曖昧な返事する時は、約束を守らない方の確率が高い。

寧ろ、ほぼ１００％を意味していたのだった。

「美〜沙？『多分』ってなによ！？」

「え！？いや、その…言葉のあやみたいなものだよ…？」

「疑問形で返さないで」

私、尾方梓

入学式すら始まってないのに、すでに波乱万丈な日々が始まりそうです。


…主に、美沙の相手で←