片思いの相手
『てか、先生キャラ違います…。それが素ですか?』

「ああ、そうだな。口は悪いな。イヤか?」

私をあれからずっと抱きしめたまま、そう聞いてくる。

恥ずかしい…。

『イヤじゃないけど…この状態は恥ずかしい!』

てか、あれ?

私、何か忘れてるような…。

ああっ!思い出した!

『先生、パーティーのパートナーいるって言ってましたよね?!なのに、私が好きってどういうことですか?…遊び?!』

まくし立てるように問いただす。

だから、失恋したと思ったんだから。

「ああ、あれはお前。あては蓮華のことだった。パーティー一緒に行ってくれるか?」

パーティー…。

『無理で…す。』

「無理じゃねぇだろ。大丈夫だ。蓮華は綺麗だ。自信持ってオレの隣にいろ。未来の家族に会ってくれ。」

未来の家族?

ん?

もしや、今のはプロポーズ?!

『先生?!』

「なんだよ。」

しれっとした顔してますけど、この人。

『あの…。』

「蓮華は近い将来、葵蓮華だな。なんか演歌歌手みてぇ。」

言われた言葉よりも、今の笑顔に絶句してしまう。

あのわんこに見せてた笑顔だ。



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