片思いの相手
『先生、もう一回笑って?』

すぐに消えてしまった笑顔を、もう一度見たい。

だって、私に向けられた笑顔だよ?!

「やだね。」

意地悪だ!

『私、演歌歌手になるからっ。』

「バカか。まぁ、でも演歌歌手になるなら、パーティーも決定だからな。」

あうっ。

パーティーはイヤだけど、演歌歌手にはなりたい…。

なんて、単純な私なの?!

あんなに釣り合わないって悩んでたのに。

先生の笑顔ひとつで悩みが飛んでいく。

「…オレは蓮華を離すつもりは一切ない。とりあえず、何にも考えずに捕まってろ。そしたら気づけば、じいさんばあさんになってるよ。」

『…はい!』

泣き笑いしながら返事をしたら。

頭を優しく撫でてくれた。

『先生、昨日よりも大好きです。』

「ああ、知ってる。」

とびっきりの笑顔を貰いました。

どうやら、私はとても幸せになれそうです。


end



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