片思いの相手
「ねぇ、そろそろ聞いてもいい?葵先生はどうしたの?」

なぁちゃんが食堂で頬杖つきながら、私を眺めて問いかける。

「れんれんは目が覚めたんだよな?!」

「うるさい!バカ左京っ。」

嬉しそうなさぁちゃんを一喝するなぁちゃん。

目線は私のままだ。

私は小さくため息をつきながら。

『…そうね。目覚めたのかも…。』

本当は覚めたくなかったよ。

「だよなっ!ほら、見ろ梛己!」

「だから、うるさいって!…ねぇ、気になったんだけど。あの噂話した後からだったよね?葵先生追いかけなくなったの…もしかして、自分の境遇と違い過ぎるから…とか思って…。」

『なぁちゃん!』

聞いてるのに断定してるなぁちゃんのセリフを、大声で遮って止める。

それ以上聞きたくなかった。

言ってほしくなかったから。

「…どういうことだ?」

その時、いつもより低い声が聞こえてきた。

聞きたくて、聞けなくて大好きな大好きな声。

…声だけで泣きたくなる。

私、重症だ。


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