溺愛なんて聞いてない!

「あ、それと勝手に名前を呼ばないで下さいね。勘違いされても困るので」

煌っ、お願いそのへんで止めてあげてっ!


「!!!!!!!」

羞恥に赤く染まったのか、怒りで赤く染まったのか分からないほどの先輩は、目を見開いて声を出せないところまできていた。


その間も笑顔を絶やさない煌。
その笑顔でピンクになった教室の空気が今では氷のように冷たく感じた。


それなのに、



「あ、一花。今日の弁当の玉子焼き。あれ毎回入れて。今日のは合格」


先輩との会話はこれで終わりと言わんばかりに視線を変えて、話を変えて、私に話を振ってくる。


「え?う、うん」


それも切り捨てた先輩の当て付けのように同じ話題を。

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