彼女の一番になる方法。
ガコン!


急に止まり、暗くなった。


「え!急に何?!」

思わず、床に座ってしまった。

暗いのに苦手なのに。

「センセ、大丈夫?」

そっと背中を触られる。


びくっ!

「センセ、めっちゃ震えてるじゃん」

くすくす笑う桜木くん。

「そんな笑わなくていいじゃない。暗いの苦手なんだから」

後ろを向く。

目がだんだん慣れてきたのか、桜木くんが近くにいるのが分かるし、顔も少し見える。

「うっわ、センセイ、涙目の上目遣いは反則でしょ」


「なにそれ」

「大丈夫だよ、俺がそばにいるから」

背中をぽんぽんされる。

「でも、怖いんだもん」

「それでもセンセイかよwww」

そんな話をしていたら私のスマホが光った。

高橋先生からだ。

『言い忘れたけど、今日19時10分から15分くらい遠隔操作の点検でエレベーターが一時止まるよ。掃除とかエレベーター使うとき、気を付けてね』


なるほど!

理由が分かって安心した。

桜木くん、今日エレベーターの点検の日だったみたい。

と言いかけて、桜木くんの顔を見ると、

ものすごくふてくされていた。


「え、どうしたの、桜木くん」


「高橋ってやつだろ。
昨日も今日も、なんでそいつとばっかりいるんだよ」

「それは仕事だか「ねぇ」


話をさえぎられる。


「昨日のことさ、なにも覚えてないの?」


「そうじゃなくて、生徒と先生なのにそういうことしちゃいけないし、桜木くんだってなんとなくだったのかなって」


「なんとなくじゃねーよ」

背中のポンポンが頭に移り、思い切り頭を押された。

「っん!」

唇が重なる。


「ちょ、桜木く、、、っん」

「は」

角度を変えながら舌が入る。

「や、、、ん」


どうしようどうしよう、

桜木くん、生徒なのに。

ご両親から預かっている大事な生徒なのに。


「はっ」

少し空気が入る。

「なに、センセ、余裕じゃん。あいつのこと考えてたの?」

「ちが、ん」

思い切りふさがれる。

「いいけど、別に。考えられなくなるくらい俺でいっぱいにしてやるよ。」

「ふぁっ」





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