彼女の一番になる方法。

やっべぇ、新学期のオリエンテーションの買い出しで外にいただけなのに



まさか先生に会えるとは!



昼から先生に会えるなんて、


しかも塾内でなくて外で。




この時間に出社してるなら、


毎日この時間に学校抜け出したい



って、俺はストーカーか。





やばい可愛かったな、


あれで年上とか


全然見えねぇ





「裕介!おっそい!


なんでゴミ袋とビニールの紐を買ってくるのにそんなに時間かかってるの」





教室に戻ってすぐに怒られた。



「いやいや、会っちゃったんだよね


可愛い人に」




クラスの女子がきょとんとしている。



「あー、柚子チャンだろ、お前のお気に入りの」



同じ塾の尊(ミコト)が肩を組んでくる。



「ゆずちゃん?


誰それ?


あかり、聞いたことない。



裕介はあかりのものでしょ?」





「誰がお前のものになったんだよ。

塾の先生、柚子チャンは」




尊が笑いながら言う。




「せんせい?


なんだー、ほっとした。


新しい彼女じゃないんだね」




「そうそう、あかりちゃんは本当裕介のこと好きだなー」



「ねー」



ケラケラ笑う二人を置いて、


自分のやるべきことをやる。




オリエンテーションでは劇をやるらしく、

(俺が熱で寝込んでいた時に決まったらしい)



その背景を作らないといけない。



「紐いるとこあるー?」





今日はこれさえ終われば、塾に行ける。


また、センセイに会える。



そう思うとめっちゃ集中できるから、俺もゲンキンだなと笑ってしまう。


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