太陽のさとうさん

その瞬間とても優しい旋律が流れ出す。


優しいけど、力強い。


所々でひねりもあり、歌詞のないバラードのようだった。


3分ほど流れると、綺麗な和音でその曲は終わってしまった。


「どう、でしたか」


そういう彼の顔には意外にも不安さが漂っていた。


これはどういう質問なんだろう。


多分、いいと思ったかそうじゃないかって事だよね?


質問の意味はわからないけど、私は聞いている時に思ったことを素直に伝えた。


私の答えを聞いた彼は、ずっと冷たかった細長い目を半月型にして微笑んだ。



この顔は、


……佐藤さん、だ。


「聞いてくれてありがとうございました。じゃあ、ゆっくりしてください」


彼はそう残し、いつの間にか片付けられていた荷物と共に歩いていってしまった。
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