この夏が終わっても

毎日のように将ちゃんと一緒だった子供時代。
楽しい毎日だったから、大好きな将ちゃんと一緒で嬉しかったから歌えた。

気持ちをそのまま歌に乗せて口遊んでいたから…。将ちゃんは今でもあの日の事を、覚えていてくれたんだ。

……。

「……私、歌う!」

楽譜を手に取って、もう一度自分が書いた作詞を読み返す。

上手く歌える自信はないけど…。
この歌の気持ちを誰よりも大切に想えるのは、他の誰でもない自分なのだから。


私の人生で、一世一代の告白。
16年間の想いを伝える為に、私はこの日から猛練習に励んだ。

……
………。
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