桜時雨の降る頃
陽斗の告白から2ヶ月が過ぎた頃、

わたしは陽斗と付き合うという答えを出した。



穏やかに、わたしは陽斗を好きだったから。


陽斗の隣に居させて欲しい、と伝えた時の

驚きようと喜びようは凄かった。



「絶対大事にする」



その言葉と共に、強く抱き締められた。

初めて男の人にこんな風に力強く抱き寄せられて、

陽斗ってこんなに『男』だったんだって

その時ようやく思い知った。


それから徐々に、付き合い始めたことが周りにも知れ渡って

陰口を叩かれてるのは承知の上だったけど

わたしは陽斗と順調に恋を育んでいた



ーーーーはずだった。






あの事故さえ起きなければ。
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