桜時雨の降る頃
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中2の時、俺は彼女を作ってみた。

幸いにも俺を好きだと言ってくる女子は結構いたりして

選り好みし放題だったわけだが。


一応男なんで、いろんなことに興味がある年頃で。

女みたいに恋愛に夢見てるわけでもないし、

雫と雫に近しい奴以外で、可愛けりゃ誰でもいいってのが本音。

サイテーと罵られても仕方がない。


そんで結局選んだ相手は、他校の女。

バスケの試合を見てたとかで、告られた。

いつもならバッサリ斬るのに、俺にしては珍しくアンテナが立ち、すぐには断らなかった。


後から考えると

彼女は雰囲気が雫に似ていた。

だから、俺のテリトリーに入れることが出来たんだと思う。


実際、彼女はいいコで、一緒にいて楽しかった。

でも、付き合いが長くなるにつれて段々束縛というか、嫉妬が酷くなり

仲がいいと知った雫に対する嫌がらせをしかねない状態になって

俺は彼女と別れた。


『私よりあの子を取るんだね』

彼女に言われた最後の言葉が耳に残る。








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