初恋の幼馴染み~彼がホストになっていたら~
そんな純情だった純との思い出に浸っていた時、金髪を盛ってドレス姿の派手な女性を連れて純が店内に入ってきた。


えっ…………


純くん…………


一緒にいるのは喫茶店で見た人…………


確か響音さんって人…………


少しタイミングが悪かったかもしれない。


今、一瞬かも知れないが、「好き」と言われて、目がハートになってしまうほど浮かれていたかもしれない。


今、どんな顔をしているのだろう……


普通にしなくちゃ…………


慌てて冷静さを保とうと、テーブルの下の太股に手を置いた時、優輝が友梨の手にそっと手を重ねてきた。


みるみるうちに顔が真っ赤になっていくのがわかる友梨は、それでも冷静さを保とうとしながら、純を見ていた。



この前はマンションの前で気付いてくれた……


きっと笑顔で挨拶してくれるはず…………


そんな友梨の願いは一瞬で消え去った。


優輝と一緒にいて頬を染めていた友梨をチラッと横目で睨むように見ただけで、響音を連れて通りすぎていったからだ。


あれ?


気付かなかったのかな……?

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