サムライ君とメガネちゃん
「これは…絵が書かれておる、女性の…」

そう言って彼は冊子を私に示す

中国の墨絵風に、人物が書かれている

セミロングの髪形

眼鏡をかけた顔

そして、胸元には…ハート型のペンダントが

「わああああっ!」

もう我慢できなかった。私は机に突っ伏し

て泣いた

しゃくりあげて…ミキちゃんとミハルちゃん

が背中をさすってくれても、大声で泣き続

けた

「わあああんっ!わあああんっ!」

全身を痙攣させて、震わせて泣いた

老神主も、少々戸惑いながらも、何かを察

し、黙っておいてくれた

………

どれくらい泣いただろう…

何とか、落ち着きを取り戻した私は、ミハ

ルちゃんとミキちゃんを伴い、神社を後に

する
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