キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



さっき感じなかった視線を感じて隣を見たら、俯いていたはずの七笑がニヤリと笑っていた。



私は知ってる。
この七笑の顔は私をからかおうとしている顔だということを。



「…みーこってさ……」


「…な、なによ…っ」



顔を近付けて、七笑は満面の笑みを浮かべた。



「なんだかんだアタシ達のこと大好きだよね!」


「う、うるさい!」



顔が熱くて、それを七笑に見られたくなくて顔を逸らした。



七笑が乃々葉のことで悩んでるから私なりにアドバイスというか、思ってることを話したのにそれが逆手にとられてしまった。



恥ずかしい。



でもここで七笑に負けたら、乃々葉と希穂ちゃんに本音を言い合えるようにって思ったことが照れ隠ししで終わってしまう。



恥ずかしい気持ちを堪えて改めて七笑の方を向いた。



「…わ、私が過去を叫んで誰かと手をとって生きるという未来を七笑が教えてくれたから…
だから私も…その、少しでも乃々葉達の未来を明るく変えられたらって……」


「……っ!み、み、みーーこ!」


「ちょ、ちょっといきなり抱きつかない、で…っ」



いきなり抱きついてきた七笑に怒ろうとしたけど、七笑の耳が赤くなってることに気付いて怒れなくなってしまった。



これがきっと七笑の照れ隠しなんだよね?



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